「どうか翼を返して下さい」

強い声が空に響いた

僕の手には2対の羽根が軽く白く弛んでいる

「どうか翼を返して下さい」

緩やかに羽根が揺れると光る何かが舞って落ちた

それは空から落ちるような雪の動きにとても似ていた

「わたしの翼を返して下さい」

柔らかい感触が手から伝い そして影へと消えていった

重く広がる雲のせいで僕の影は薄くて白い

「翼がないと わたしは行けない」

「漂う空の雄大さ」

「どこまでも自由で」

「希望に溢れ」

「地上を見下ろすだけで済む」

「わたしは空へ行きたいのです」

降り始めた雨に打たれて僕の両手は重くなった

少し強く握りしめた

ぎぎっと嫌な音がした

ゆっくり開いた手の中から残らず羽根は落ちていった

水の重さを従えて僕の前に散らばった

「わたしの翼を返して下さい」

「わたしの希望を返して下さい」

大地は羽根ごと受け止めて風の涙を海へと注ぐ

翼の夢  
屋根裏部屋に戻ります
夢の分析 「翼」

心、真実、力の象徴

何か やり遂げたいことがある

2001年8月31日

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